新築分譲マンション(区分所有建物)でおこなわれている「内覧検査会」※1 について、私が勤めていた会社での経験をもとに今回はお話しいたします。
※1 売主によりその名称は異なります(例:内覧会など)
内覧検査会とは・・・?
そもそも、内覧検査会とは何か?
分譲マンションの総戸数は40~50世帯、タワーマンションなどの大型マンションでは100世帯を超えてきます。
新築の場合、各住戸に不具合(傷など)があったままの引渡しはおこなえませんので(中古住宅の場合は現状のまま引渡すケースが多いです)、建物が完成して予定している引渡日が近付くと、購入したお客様にご自身の住戸を確認して頂き、手直し箇所の指摘をしていただきます。
購入した住戸の手直し箇所の確認・指摘を「内覧」と呼びますが、この内覧を個別におこなっていると日にちも時間も掛かり(極端な例では毎日内覧を実施しても世帯数分の日数が必要)、手直し工事の着手に遅れが生じることがあります。
その為、特定の日にちと時間を売主が決め、購入者の方々にマンションに集まっていただき、各住戸の内覧を一斉におこなっていただいておりました(都合の悪い方は別日等で個別対応)。
購入者の皆様が一堂に会し(実際には混雑を避けるため時間差は設けます)内覧をおこなうので、この日を「内覧検査会」と呼んでいるのです。
内覧検査会の主な内容
内覧検査会では、大きく分けて次の4項目を柱に進めていました。
NO. | 項目 | 対応者 |
1 | 受付 | 売主又は販売代理会社 |
2 | 共用部の確認 | 建設会社 セキュリティー会社 管理会社 |
3 | 専有部の確認 | 建設会社 設備業者 |
4 | 内覧 | 建設会社 (売主又は販売代理会社) |
それぞれの項目を、詳しくお話しいたします。
受付
内覧検査会に出席されているかの確認をおこないます。急用で当日遅刻される方、お越しいただけない方は個別に対応していました。急用等が発生した場合には、慌てずに営業担当者などと連絡を取り、スケジュールを再調整して貰いましょう。
共用部の確認
共用部の確認では、普段使われる共用部分の説明がおこなわれます。
駐車場、エントランス(オートロック)、宅配ロッカー(設置の場合)、集合ポスト、エレベーターなどが該当し、操作が必要なものについてはその操作方法が担当者から説明されます。
専有部の確認
部屋に移動すると、一通りの住宅設備の説明がおこなわれます。
インターホン親機の操作説明では、来訪者役のスタッフがエントランスより呼び出し操作をおこない、オートロックの開錠方法(自動ドアを開ける操作)を確認していただきました。
また、インターホン親機に防犯用の「非常ボタン」が付いていたので、非常の際にボタンを押すと玄関(場合によっては管理員室にも対応)警報音が鳴ることを説明していました。
また、キッチンと浴室に給湯コントローラーが設置されているので、各ボタンの説明があります。
引渡し前であるため、内覧検査時には実際に給湯コントローラーを使うことはありません。
正しく機能するかの確認は、引渡し後のガス会社立ち会いの下の開栓手続き時や、オール電化の場合は実際に使ってからの不具合発生時の対応になります。
工事期間中(設置完了後)に設備業者が操作確認をしている為、不具合が発生したことは私自身経験していません。
内覧
いよいよ購入住戸の内覧となります。
傷や扉、設備などの不具合を、引渡し前までに是正(修理など)して貰うために、細かく確認していきます。引越し後の傷等の発見は、引越しによる発生の場合があるため修理して貰えないケースがほとんどです。細心の注意を払い確認して、指摘事項があれば同席している建設会社スタッフにその内容を伝えます。
主に指摘される項目としては、壁紙や床などの傷、扉の閉まり具合などが多いです。
素人の為、内覧でどこを指摘すればよいのか分からないとの理由で、建築士などに依頼して見て貰う方もいらっしゃいます。部外者の同行を禁じていませんので、不安に思われる方は専門家立ち会いの下、内覧されるのもよいでしょう。
私のお客様の中にも、建築士に当日同行して貰い確認しておられた方もおります。
今回は、新築分譲マンションにおける「内覧検査会」について、私が経験してきたことを記しました。